ORIHIME’s diary

利用していたブログサービスが閉鎖となり、旧記事とともに引っ越してきました。テーマは「好奇心、感動、そして感謝」です。

アメリカの音楽ファンを魅了した日本人

 

ロサンゼルスにトルバドールというライブハウスがあります。エルトン・ジョンが彼の自伝映画「ロケットマン」の中で出演した実在の歴史あるライブハウスです。

60年から70年代、ジェームス・ブラウン、ニール・ダイヤモンド、エルトン・ジョンキャロル・キングなどの大物アーチストが出演していた頃、月に一度「素人の日」(正式な名称は分かりません)があり、アメリカでデビューしていない音楽家が出演できました。この日は、将来のスターを見つけてやろうと腕まくりをしてやってくる音楽ファンで満席になったそうです。当時、音楽の中心地だったロサンゼルスの音楽ファンは耳が肥えていました。

ある時、日本の「赤い鳥」というグループが出場しました。女性2人、男性3人からなるフォークグループで、ロサンゼルスにレコーディングに来ていた彼らは腕試しで出場したようです。彼らは持ち歌の「竹田の子守唄」をアカペラで披露しました。歌唱中、場内は水を打ったように静まりかえり、その場にいた知人はどうなることかと緊張したそうです。歌い終わった時、一瞬沈黙があった後、わぁ〜っと観客が総立ちとなりスタンディング・オベーションの割れんばかりの拍手と指笛が続きました。

 

赤い鳥 前列左がリーダーの後藤悦治郎さん、右は後に「翼をください」をヒットさせた山本潤子さん。もともと赤い鳥のオリジナル曲だったのですね。

Wikiによると、「赤い鳥」はその後解散して「紙ふうせん」「ハイファイセット」「ハミング・バード」の3つのグループに分かれました。解散が1974年なのでトルバドールの快挙は70年代初頭と思われます。音楽にメチャメチャうるさいロサンゼルスの音楽ファンを魅了した赤い鳥はすごいですね。そして、文化が違う遠い異国の音楽を評価したトルバドールの観客もすごいと思いました。50年も前のことです。

 

 
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