ORIHIME’s diary

利用していたブログサービスが閉鎖となり、旧記事とともに引っ越してきました。テーマは「好奇心、感動、そして感謝」です。

珠玉のミュージカル曲 隠れた名曲 ③

 

1967年のミュージカル映画(フランス)

 ロシュフォールの恋人たち

 

シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミ監督、作曲家のミシェル・ルグランカトリーヌ・ドヌーブが再びタグを組んだミュージカルです。前作のテーマ曲が有名すぎて、その陰に隠れてしまった感がありますが、この映画の音楽も名曲ぞろいで、特に、ジャズ・ピアニストでもあるルグランのピアノは鳥肌ものです。

前作は切なさが残りましたが、こちらは底抜けに明るくてすべてハッピーエンド。ファッション、インテリアなど半世紀前の作品とは思えないおしゃれな映像に目を奪われます。

主演の姉妹を演じるのはカトリーヌ・ドヌーブとドヌーブの実の姉 フランソワーズ・ドルレアック。妹はバレエ教師、姉は作曲家をめざしていて、姉妹の母親はカフェを経営しています。祭りの日が近づき、町は旅の一座が到着してにぎやかになりました。

 

de ville en ville

(町から町へ)

冒頭の旅の一座がロシュフォールの港に到着したシーンでも流れる、ルグランらしい軽快なジャズテイストの曲です。姉妹の母が経営するおしゃれなカフェを訪れた一座のリーダー役、ジョージ・チャキリスとグローヴァー・デイル。音楽と二人のカッコいいダンスをお楽しみください。

 

Andy amoureux

(恋するアンディ)

アメリカ人の音楽家、アンディ役のジーン・ケリー。歳の離れた弟を迎えに来た姉妹の姉と出会い一目惚れ。彼女が落とした楽譜を読み、歌いながら踊ります。この時、ジーン・ケリーは54歳。軽やかなダンスはさすがです。往年のミュージカルファンにはたまらないシーンで、彼を知らない若い世代にはちょっと驚きのダンスです(^^)

 

こちらは「恋するアンディ」の唄なしのインスト版です。ダンスシーンのコミカルな曲とは打って変わってロマンチックで情熱的です。初めてこの映画を観た時、楽器店の美しさ、素敵すぎる二人の会話にこの感動的な音楽が重なって、うるうるしてしまいました。

憧れの音楽家のアンディに会うために楽器店に来た姉妹の姉。「あの時の外国人ね」「そうだよ」「あなたがアンディ?」「そう、僕だよ」「この楽譜は何処で?」「街で見つけた」「この楽譜を探し回ったのよ」「僕もだよ。君を探し回ったんだ」・・・

 

La chanson d'un jour d'été

(夏の日の歌)

祭りで歌って踊る姉妹。この映画を撮った翌年、姉のフランソワーズ・ドルレアックは自ら運転する車で事故死、25歳の若さでした。この作品を観るまで、ドヌーブに女優の姉がいたことを知りませんでした。この映画を見る限りでは、演技もダンスもお姉さんのほうがずっと才能があったように思えます。残念です。