ORIHIME’s diary

利用していたブログサービスが閉鎖となり、旧記事とともに引っ越してきました。テーマは「好奇心、感動、そして感謝」です。

知っているようで知らない論語 ① 学びて思わざれば

 

学びて思わざれば罔し。

思いて学ばざれば殆うし。

(まなびておもわざればくらし。おもいてまなばざればあやうし。)

本を読んでばかりで考えることをしないと知識が混乱するだけ。

空想にふけるだけで読書を怠ると独断しがちになる。

 

まだ学生だった頃、阿川弘之さんの「論語知らずの論語読み」を読むまでは、論語は男子を律することわざ集で、「女子と小人とは養い難し」といった現代では掲載要注意(笑)の思想を持つ学問と思っていました。「論語読みの論語知らず」をひっくり返したタイトルの阿川さんの本は、論語をよく知らないとする著者が各エピソードを通じて論語の世界に入っていくユーモアあふれるエッセイ集でとても面白かったです。私は孔子の思想に親しみを感じるようになりましたが、論語堅苦しい書物には食指が動きませんでした。ある日「これだ!」とばかりに購入した本が↓です。これも漫画です(^^::

 

台湾の漫画家による中国古典の解釈

論語150篇のほか、孔子の生涯と孔子の16人の弟子についても描かれています。

著者は作、描画とも台湾の蔡志忠さん。独特のユーモアたっぷりの絵柄が名言をより際立たせています。監修の野末陳平さんは、「中国古典のまんが化なので読み方、解釈に異論があるかもしれない。われわれとは異なる感性の部分もうかがえるが、これも論語を楽しむひとつである」と語っています。

紀元前に生きた孔子の思想が、現代を生きる私たちの社会になんら違和感がないことに驚かされます。孔子の思想を論語として後世に残してくれた彼の弟子たちの偉業を讃えずにはいられません。孔子の時代、君子とは身分が高い教養ある人物のことで、小人は身分が低い無教養の人物を指していたようですが、君子と小人の定義は時代とともに変わっています。現代の君子は、器が大きい人、リーダーシップがある人、主体性がある人のことでしょうか。小人はその逆だとすると、待って、待って、「ただ女子と小人は養い難し」では女子=小人ということになりますよね。もしもし孔子さん、あなたは誰から生まれたのですか? (^^)