ORIHIME’s diary

利用していたブログサービスが閉鎖となり、旧記事とともに引っ越してきました。テーマは「好奇心、感動、そして感謝」です。

知っているようで知らない論語 ⑤ 言を以って


君子は言を以って人を挙げずくんしはげんをもってひとをあげず

人を以って言を廃せずひとをもってげんをはいせず 

優れた人物は、話が上手いからといっておいそれと推薦したりしない。

行いが良くないからといって意見を無視することもない。

「彼はいいことを言いますね。幹部候補に推薦しましょうか。」「いや待て。話が上手くても中身が伴っているとは限らない。早計に判断しないことだ。」

「彼は元ヤンキーでまだ抜け切れていません。話を聞くまでもないと思います。」「いや、振る舞いの良し悪しで意見を無視するのはよくない。妥当な意見かもしれないじゃないか。」

今風に表現すると↑のような感じでしょうか。武士=儒教のイメージから、私は、孔子は常に品行方正な振る舞いと規律の厳守を求めていたと思い込んでいました。ところが論語から見えてくる孔子は開放的で、人の性格や振る舞いに枠を作らず、常に可能性への道を開けています。ショーン・コネリー主演の映画「レッドオクトーバーを追え」の中に、アメリ大統領補佐官の「I keep my options open」(※下記)というセリフがあります。アメリカの政治家がよく使う表現で「(常に)選択の余地を残しておく」、別の言葉で表現すると「常に可能性への道を開けておく」という意味になります。時代を超えた孔子の思想に感じ入るばかりです。

 

[出典] マンガ孔子の思想 講談社

 

六本木と麻布に隣接する麻布十番六本木ヒルズと繋がっています。以前は交通の便が悪く陸の孤島と呼ばれていましたが、今は東京メトロ南北線」と都営大江戸線の2つの地下鉄が通っています。写真は下町風情が人気の麻布十番商店街に昔からある今川焼の店です。外国人のお客さんも多く、目の前で焼いてくれる「パフォーマンス」を楽しそうに見ています。

撮影 ORIHIME

 

※ 「レッドオクトーバーを追え」は小説、映画とも私が大好きな作品です。上記に乗じて紹介したいと思いますが、興味のない方はどうぞスルーしてください(^^)

映画「レッドオクトーバーを追え」: 冷戦時代、ソ連タイフーン級原子力潜水艦「レッドオクトーバー」が出港後姿を消し、クレムリンがレッドクオトーバーを撃沈するよう指令を出したとの極秘情報がワシントンに届いた。大統領府に集合した情報局、軍部の上級武官たちは、潜水艦の目的はアメリカを攻撃するためだと騒ぎ出す。CIAの若き分析官ジャック・ライアンは、潜水艦乗りの鑑と言われる艦長ラミウスはアメリカに亡命するつもりではないかと分析するが、あまりに突飛だと皆に嘲笑される。ペルト大統領補佐官はライアンを残して皆を解散させた。補佐官は、「私は政治家だ。必要であれば子供からキャンディを奪うなど何でもする。But, I keep my options open. ライアンくん、君の説を自分自身で証明してみたまえ」と、ライアンを、レッドオクトーバーを追っていた自国の潜水艦ダラスに送り込む。・・・ここからラミウス艦長とライアンの推測・分析合戦が始まります。ペルト補佐官の「余地の選択」がなかったらライアンの活躍はなく、ドキドキする第一級のサスペンスもありませんでした。