ORIHIME’s diary

利用していたブログサービスが閉鎖となり、旧記事とともに引っ越してきました。テーマは「好奇心、感動、そして感謝」です。

外国語で聴く日本の名曲

 

♦️♦️名曲に国境はない

人気曲にはカバーがつきものですが、オリジナルを超えるケースは希少です。ところが、この前の記事でご紹介した「ゴッドファーザー〜愛のテーマ」の多言語バージョンでは、それぞれに味わいがあり、名曲には国境がないことを示してくれました。ならば日本の懐かしい名曲を外国語の歌詞で現地の歌手が歌ったらどんな感じになるのでしょうか。

 

 

飾りじゃないのよ涙は 作詞作曲 井上陽水  (1984年)

[英語版]  タイトル「Tears」

歌唱:  The Nolans  ノーランズ


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イギリスを中心に活躍するアイルランド出身の姉妹グループ。ジャズ、ポップスからロックまで歌いこなす歌唱力抜群の姉妹です。80年代、日本ではアイドルグループとして人気があり、「ダンシング・シスター」がオリコンのシングルチャート1位になりました。歌詞データがないのですが英語版はノーランズ自身が作詞したようです。音符へのノリが自然で心地いいですね。この歌の象徴的な「私泣いたりするのは違うと感じてた。飾りじゃないのよ涙は」の部分をノーランズ版では「ねえ教えてよ、世の中楽しいことがいっぱいあるのに何故泣いて悲しむことを選ぶの?涙で飾り立てるなんて嫌よ」と歌っています。

 

I Love You 作詞作曲 尾崎豊  (1991年)

[中国語版]  タイトル「I Love You」

歌唱:  Kelvin Tan   ケルヴィン・タン


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シンガポール出身の先天性盲目の歌手。幼い頃からマンドポップス(シンガポールや東南アジアで使われている中国語の標準語をベースとするポップス)を聴いて育ちました。ストリートミュージシャンだったデビュー前、彼の歌を好む観衆が毎回大勢集まったといいます。2007年のセカンドアルバムに収録されたこの「I Love You」は、台湾、香港、中国、マレーシア、シンガポールのシングルチャートで1位になりました。彼は昨年2022年、めでたく結婚しました(^^)

 

恋のバカンス 作詞 岩谷時子 作曲 宮川泰  (1963年)

[ロシア語版] タイトル「By The Sea, By The Blue Sea」

歌唱: ファブリカ


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ロシアのアイドルグループ、ファブリカが2012年にテレビに出演した時の映像です。陽気で元気をもらえますね。この曲は、60年代、ソ連の国営放送の特派員が気に入って母国に持ち帰ったソ連時代からロシアで人気があるそうです。「Love Vacation」というタイトルでも知られていて、元々ロシアの歌と思っている人が多いとか。ロシア語の歌詞にまったく違和感がなく、オリジナルを知らなかったらロシアの歌と思ってしまいます。バックダンサーたちの踊りがユニークで楽しいです(^^)

 

涙そうそう 作詞 森山良子 作曲 BEGIN  (2000年)

[ハンガリー語版]  タイトル「Csillag vagy mar」(あなたはもうスター)

歌唱:  Csik Zenekar ティーク・ゼネカール


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ティーク・ゼネカールはハンガリーを代表するフォークーミュージックのバンド。2000年のシドニー五輪では、ハンガリーの民俗文化を紹介するプログラムのバンドに選ばれました。編成はヴォーカル、弦楽器、管楽器、ダルシマーの7名です。ダルシマーとは一見ヴィブラフォン風の打楽器で、ハンマーと呼ばれるバチで金属の弦を叩くピアノの祖と言われる楽器です。ハンガリーの人々はアジア系で名前は姓が最初に来ます。ヴォーカリストの女性はマジョロシ・マリアンナさんです。

 

中央フリーウェイ  作詞作曲 荒井由実 (松任谷由実) (1976年)

[フランス語版]  タイトル「中央フリーウェイ」

歌唱  Carole Serrat   キャロル・セラ


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キャロル・セラはフランス出身のマルチ・アーチスト。マルティーヌ・セロールという名で歌手活動をしながら、TF1 (テレビ・フランス 1 〜フランス最大の民放テレビ局) のキャスターを務め、その後コラムニスト、ソフロロジスト、雑誌の編集を手がける多才な女性として知られています。この曲は90年代に発売された、ユーミンの楽曲をフランス語でカバーしたセラのアルバムに収録されていて、アルバムはオリコンのトップ50にランクされたそうです。ソフロロジーとはヨーロッパで発展してきた心と体のケアをするセラピーです。

 

ラブストーリーは突然に    作詞作曲 小田和正  (1991年)

[英語版]  タイトル「Love Story」

歌唱:  Bobby Kimball  ボビー・キンボール


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2003年に発売された「ラブストーリー〜小田和正ソングブック」に収録されているドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌。キンボールはアメリカのロックバンドTOTOのヴォーカリスト。TOTO はロサンゼルスのトップクラスのスタジオミュージシャンで結成され、アルバムがグラミー賞6冠を達成した伝説的なロックバンドです。小田和正さんの雰囲気とは異なる、ちょっと荒っぽい男っぽさに溢れるキンボールの歌が新鮮で、小田さんの作品の懐の深さを感じさせてくれます。

 

異邦人 作詞作曲 久保田早紀  (1979年)

[中国語版]  タイトル「異邦人」

歌唱:  艾 敬  アイ・ジン


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中国瀋陽市出身のシンガーソングライター&女優。90年代、香港返還に関するアルバムをリリースし、中国、台湾、香港で50万枚を超える売り上げを記録して一気に知名度を上げました。日本では、アジア圏のアーチストが共演する深夜のテレビ番組に出演したり、来日して日本のアーチストと合同でコンサートを開催して知られるようになりました。美しい声がこの名曲にピッタリハマっています。

 

いとしのエリー 作詞作曲 桑田佳祐  (1979年)

[英語版] タイトル  「Ellie My Love」

歌唱:  Ray Charles  レイ・チャールズ


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1989年のサントリーのCMを憶えておられる方には懐かしい歌です。CMがきっかけでシングル曲としてリリースされ、40万枚を記録する大ヒットになりました。レイ・チャールズの魂がゆさぶられるようなセクシーな歌声は唯一無二。桑田さんの曲が素晴らしいことは言うまでもありません。

 

♦️♦️どこの国でも、どの言語でも、日本の歌が違和感なく溶け込んでいて感動しました。日本の曲の素晴らしさを改めて感じています。

 

参照: Wikipedia Chinese, Russian, Hungarian, French and English versions helped by the Google Translation Services.