映画 イミテーション・ゲーム ・・こんな天才がいたなんて
コンピューターの父 イギリスの天才数学者
第二次大戦中、解読不可能と云われたドイツの暗号機エニグマを解読したイギリスの数学者アラン・チューリングの実話に基づく映画です。
ところが、イギリスは長い間、彼の偉業を公にしませんでした。
チェス、クロスワードパズルの天才など様々な分野の専門家が集められた暗号解読チーム。
ストーリーも映像も極上で、特に主役が飛び抜けて素晴らしかったです。彼の風貌、表情、話し方、所作すべてが浮世離れしていてミステリアス。まるで天才チューリング本人がそこにいるような錯覚におちいり、終始ひきこまれました。主役は、BBCの人気ドラマ「シャーロック」でシャーロック・ホームズを演じているイギリスの俳優、ベネディクト・カンバーバッチです。
こんなにすごい人がいたなんて、映画を観るまで知りませんでした。アラン・チューリングについて調べてみました。
彼は16才のとき、アインシュタインの相対性理論の不備を指摘し、 後に現代のコンピューターモデルを生み出した天才数学者でした。コンピューターの原型を世界で最初に発案したのはアメリカではなく、イギリスのチューリングだったのです。
彼の悲運は、彼が当時は犯罪者として扱われた同性愛者だったことでした。映画は生前のチューリングを描いていますが、彼の功績は彼の死後も長い間伏せられていました。2009年、時のブラウン首相が公式に彼に謝罪したことで、彼の名は広く世界に知られるようになりました。
人間とコンピューターに同じ質問をして、何も知らない第三者にそれぞれの答を示し、どちらの答か判別できなかった時、そのコンピューターは優秀と判定するテストをチューリング・テストというそうです。チューリングはそれをイミテーション・ゲームと呼んでいました。
1952年、同性愛で有罪判決を受けたチューリングは、服役か薬物療法のどちらかを選ばなくてはならず、ホルモン剤の投与を選択しました。やがて精神が蝕まれていったようで、2年後に青酸中毒で死亡。自殺とも云われています。
イギリスは、将来、国に栄誉と繁栄をもたらしたに違いない自国の偉大な科学者を死に追いやったのです。
彼の遺体のそばに、かじりかけ(英語バイト)のリンゴが転がっていました。青酸カリが付いていたのではと云われています。
彼がお気に入りの映画「白雪姫」を観た直後、「魔法の液に漬けたリンゴは永遠の眠りをもたらす」と語った・・という同僚の証言があります。
アップル社のロゴは、かじりかけのリンゴです。マッキントッシュはスペルはちょっと違いますがリンゴの種類の名前で、情報量の単位 byte バイトもスペルがちょっと違いますが、かじる bite と発音が同じです。アップル社は関連を否定しています。
切ないですが感動的な映画でした。文句なしの満点で星5つです。