ORIHIME’s diary

利用していたブログサービスが閉鎖となり、旧記事とともに引っ越してきました。テーマは「好奇心、感動、そして感謝」です。

オルフェウスの窓 魅力ある登場人物 ヴィルクリヒ先生

オトコマエ ヴィルクリヒ先生

ヘルマン・ヴィルクリヒ 

好きなキャラ・リストにはまず挙がってこないヘルマンですが、ひとりの男性としてみるとなかなか魅力的です。金持ちや有力者に媚びることがなく、純粋に芸術を追求する姿はステキです。クラウスのタメ口を気にもせず冗談で返していました。

ベートーベンのピアノコンチェルトにイザークを選んだとき、キッペンベルク家に気を遣いモーリッツを擁する街の有力者や学校の教務陣を相手に一歩も引かずイザークを護った姿はホントにかっこよかったです。

アーレンスマイヤ家との因縁がなければユリウスには頼りになる先生で、読者にもダーヴィトと並ぶ人気を博したと思います。

 

オルフェウスの窓の悲劇とは?

ヘルマンにとってアーレンスマイヤ家は復讐を誓った憎むべき相手で、レナーテはアーレンスマイヤ家当主の子どもを宿した愛人でした。偽りの名を使い真実をヘルマンに隠し続けたレナーテの罪と、ヘルマンの復讐心が悲劇を生みました。

レナーテがヘルマンと愛し合っていた当時、事実を正直にヘルマンに話していれば、彼はアーレンスマイヤと手を切らせてレナーテとお腹の子を守ったと思います。ヘルマンは18年もの間レナーテを探し続け、最期もアーレンスマイヤ夫人と知りながら運命を共にしました。何よりも彼は男気のある人でした。レナーテは、アルフレートを恨むことなく愛する人と幸せに暮らし、子どもは男のふりをせずに女の子として育てられたでしょう。

 

オルフェウスの窓で出会った二人の生き方によっては悲劇を回避できたのでは・・と思います。

 

レナーテがユリウスを男の子と偽ったのは、男の子なら後継ぎとして引き取ってもらえると考えたからだと思います。アルフレートに捨てられて貧しい暮らしを強いられた彼女が、父なし子といじめられていたユリウスのために考え出した苦肉の策だったのでは。おそらくヤーン医師の入れ知恵でしょう。彼はレナーテを利用してアーレンスマイヤ家の財産を狙っていたのだと思います。スパイの疑いもあったのでロシア皇室の隠し財産のことも知っていたかもしれません。アネロッテが知っていたくらいですから。

 

出会った頃のヘルマンとレナーテ